これまで医療業界では、「ケトン体=悪い物」という認識がされていましたが、昨今の研究ではケトン体が脳のエネルギー源であるということが判明したほか、
2016年には厚労省が重症てんかんの治療食として「ケトン食」を保険適用食として認めるなど、今その存在が見直され、新たな活用が期待されている注目の物質です!
2、人間のエネルギー源「ケトン体」と「ブトウ糖」
人間のエネルギー源となる主な物質は脂質由来の「ケトン体」とごはんやパンなどの炭水化物中に含まれる糖質由来の「ブドウ糖」です。その二つを比較してみました。
|
ケトン体 |
ブドウ糖 |
体内での生成のされ方 |
肝臓で体脂肪が分解されてつくられる。 |
ごはんやパンなどに含まれる糖質が分解されてつくられる。分解には「インスリン」というホルモンが使われる。 |
体内に貯蔵できるエネルギー量 |
約20㎏(約10万8,000kcal)
50日間生き延びられる量 |
約200g~300g(約1,200kcal)
12~13時間分のエネルギー |
体脂肪との関係 |
肝臓で体脂肪を分解してつくられる。 |
余った分は、肝臓で体脂肪に変えられる。 |
使用される体の場所 |
ほぼすべての臓器で使用可能。
※赤血球はミトコンドリアをもたないため、ケトン体をエネルギーに変換できない。 |
すべての臓器で使用可能。 |
脳への影響 |
中枢神経系には保護作用があると言われている。 |
麻薬と同等の中毒性を有すると言われている。 |
得意な運動 |
マラソン(有酸素運動) |
短距離走(無酸素運動) |
※参考>おちゃづけ著 宗田哲夫監修「ケトン体入門」(光文社)30項
どちらも体にとって大切なエネルギー源です。ですが、ケトン体はブドウ糖が体内にたっぷりある状態だと動き出しません。現代人は、ごはんやパンを主食にしていることから、ブドウ糖をメインのエネルギー源として活用していて、ケトン体はほぼ活用されていないと考えられます。
★原始人は、ケトン体がメインエネルギーだった!★
食べ物が豊富ではなく、狩猟採集の時代と言われる原始時代。私たちの祖先は、穀物などがない厳しい時代を生き抜くため、ケトン体エネルギーをメインとして使っていたと言われています。
3、ブドウ糖エネルギーの問題点
現代人の問題は、ブドウ糖の元となる
糖質を摂りすぎてしまっている点にあります。なぜ問題と言われているかその理由は下記のようなものが挙げられています。
●血糖値の乱高下
●糖質の過剰摂取が糖尿病の原因に
●インスリンが働かないことによる脳のエネルギー不足
●もっと食べたい!中毒性
などなど・・・・・
ごはんを食べた後に眠くなる、たくさん食べた次の日体がだるい・・・という経験はありませんか?これは、糖質をたくさん体内に取り込んだことが原因。糖質をたくさん摂取すると血糖値が上昇。それを下げようとインスリンが分泌され、血糖値が一気に下がります。この時、眠気が生じます。さらに、血糖値が急激に上昇と下降をしたことによって、体が疲労してしまうのです。
ブドウ糖はたしかに体に必要ではありますが、たくさん摂取することによる弊害もあるのです。
▼ブドウ糖過剰摂取の問題点をもっとしりたいならこの書籍がおすすめ!
宗田哲夫著「甘いもの中毒」(朝日新聞出版)
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=19667
4、ケトン体エネルギーも動かそう!
そこで、重要視されているのが脂質由来のエネルギー源であるケトン体です。
体の中で本当に必要な糖質の量は、1時間に6g程度(脳に4g、赤血球に2g)と言われています。そのほかの活動エネルギーをブドウ糖由来のものだけでなく、ケトン体も活用すれば様々な健康にかかわるメリットがあります!
<ケトン体エネルギーを使うことのメリット>
●インスリンを分泌しなくてもエネルギーとして活用できる。
●血糖値が上がらない。
●ケトン体生成時に体脂肪が燃えて「痩せる」と言われている。
●筋肉のエネルギーにもなるため、筋肉量アップも期待できる。
●ケトン体は脳のエネルギー源といわれており、認知症改善が期待できる。
●その他・・・がん予防、抗酸化作用があるといわれている。
5、ケトン体エネルギーを動かすポイントはMCTオイル
MCTオイルはケトン体を効率的に生成することができるといわれていて、一般的な植物油と比較すると、
同じ量で約10倍も多くのケトン体が生成される、との研究結果もあります。
普段食べている糖質の量を減らし、代わりにMCTオイルを取り入れることで、ケトン体エネルギーが少しずつ動き出します!
6、広がるケトン体の活用
「ケトン体」は、ただエネルギー源として活用するだけでなく、美容やスポーツ、医療面で積極的に活用されてきています。