目次
トランス脂肪酸とは?・まず押さえておきたい基本
トランス脂肪酸とは、不飽和脂肪酸の一種で、主に植物油を加工する過程(部分水素添加)で人工的に生成される脂肪酸です。常温で固まりやすく、食品の保存性や食感を良くする目的で、マーガリンやショートニング、加工食品に幅広く使用されてきました。
一方で、自然界にも微量ながら存在し、牛や羊など反芻動物の肉・乳製品に含まれるものがあります。ただし、健康リスクが問題視されているのは、主に工業的に生成されたトランス脂肪酸です。
トランス脂肪酸が健康に与える影響
トランス脂肪酸の過剰摂取は、以下のような健康リスクと関連すると報告されています。
- LDL(悪玉)コレステロールの増加
- HDL(善玉)コレステロールの低下
- 動脈硬化・心血管疾患リスクの上昇
世界保健機関(WHO)は、工業的に生成されたトランス脂肪酸について、総エネルギー摂取量の1%未満に抑えることを推奨しています。
「日常的に少量だから大丈夫」と思われがちですが、加工食品を頻繁に摂る生活では、無意識のうちに摂取量が増えてしまう点が問題です。
日本におけるトランス脂肪酸の現状と注意点
日本では、平均的なトランス脂肪酸の摂取量は欧米諸国と比べて低い水準と報告されています。一方で、工業的トランス脂肪酸の使用を包括的に禁止する法制度や、一律の表示義務は設けられていません。
日本の基準・表示義務はどうなっているのか
日本では、トランス脂肪酸について「含有量の表示義務」は原則としてありません。そのため、商品パッケージにトランス脂肪酸の数値が明記されていないケースが一般的です。また、「トランス脂肪酸ゼロ」と表示されている場合でも、一定量未満であればゼロと表記できる基準が用いられることがあります。こうした背景から、日本では制度に頼るのではなく、原材料表示を確認し、使用されている油脂の種類や加工度を読み取ることが、現実的な対策になります。
トランス脂肪酸を避けるための食習慣5つのポイント
1. 原材料表示を確認する習慣をつける
「ショートニング」「マーガリン」「植物油脂(加工油脂)」といった表記がある場合は要注意です。

2. 加工度の低い食品を選ぶ
素材に近い食品(生鮮食品・シンプルな加工食品)を選ぶことで、トランス脂肪酸の摂取リスクは自然と下がります。

3. 外食・中食の頻度を意識する
揚げ物や焼き菓子が多い食事が続く場合は、間に和食や自炊を挟むなど、バランスを取ることが大切です。
4. 油脂の「質」を見直す
家庭で使う油は、オリーブオイルやMCTオイルなど、製法が明確でトランス脂肪酸を含まないものを選びましょう。
5. 完璧を目指さない
トランス脂肪酸を「完全にゼロ」にするのではなく、減らす意識を持つことが、長く続く食習慣につながります。
トランス脂肪酸を含みやすい食品・含みにくい食品
- 含みやすい | マーガリン、ショートニング使用の菓子、一部の揚げ菓子
- 含みにくい | バター、オリーブオイル、MCTオイル、ナッツ類
※製品や製法により異なるため、あくまで目安としてご覧ください。
家庭で使う油も見直しを!“良質オイル”3選
エキストラバージンオリーブオイル
オメガ9系オレイン酸が豊富で、抗酸化作用のポリフェノールやビタミンEも含有。精製処理が少ないエキストラバージンならトランス脂肪酸の心配はほぼありません。

詳しくは、オリーブオイルの効果ってなに?をご参照ください。
亜麻仁油
オメガ3であるα-リノレン酸が主成分。体内でEPA・DHAに変換され、善玉コレステロールを増やし炎症抑制などに効果的。トランス脂肪酸は含まれません。

詳しくは、亜麻仁油の健康効果とは?をご参照ください。

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MCTオイル
ココナッツやパーム核由来の中鎖脂肪酸のみで構成され、消化吸収に優れ、トランス脂肪酸フリー。ケトン体生成やダイエット、記憶力向上などで注目されています。

詳しくは、飲む健康油!体に嬉しいMCTオイルの4つの効果!いつから効果が出るの?をご参照ください。

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よくある質問(FAQ)
Q. トランス脂肪酸とは何ですか?
A. トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種で、主に植物油を加工する過程で生成されます。食品の保存性や食感を高める目的で使用されてきましたが、摂取量によっては健康への影響が指摘されています。
Q. トランス脂肪酸はなぜ健康に良くないと言われるのですか?
A. 工業的に生成されたトランス脂肪酸は、LDL(悪玉)コレステロールを増やし、HDL(善玉)コレステロールを減らす作用が報告されており、心血管疾患リスクとの関連が指摘されています。
Q. 日本ではトランス脂肪酸の摂取は問題ありませんか?
A. 日本人の平均摂取量は欧米に比べて低いとされていますが、加工食品を多く摂る食生活では摂取量が増える可能性があります。そのため、日常的な意識が重要です。
Q. 成分表示でどこを見ればトランス脂肪酸を避けられますか?
A. 原材料表示に「ショートニング」「マーガリン」「加工油脂」などの記載がある場合は、トランス脂肪酸を含む可能性があります。複数の油脂が使われている場合も注意が必要です。
Q. トランス脂肪酸を完全に避ける必要はありますか?
A. 完全に避けることよりも、摂取量を減らす意識を持つことが現実的です。加工度の低い食品を選び、油の質を見直すことで、無理なく摂取量を抑えることができます。
日々の習慣で差が出る“トランス脂肪酸対策”
- 加工食品・外食の頻度を減らす
- 家庭ではエキストラバージンオリーブ油・亜麻仁油・MCTオイルに切り替える
- 和食中心の献立で自然とヘルシーに
- 栄養バランスを見ながら、脂質全体を意識する

まとめ|見えない油とどう向き合うか
トランス脂肪酸は、意識しなければ気づかない「見えない油」です。だからこそ、知識を持ち、日々の選択を少しずつ変えることが重要です。
極端に避けるのではなく、知ったうえで減らす。その積み重ねが、長期的な健康につながります。
食習慣を見直す一つのきっかけとして、本記事がお役に立てば幸いです。
参考情報・出典の考え方
本記事は、トランス脂肪酸に関する一般的な知見として、以下のような公的機関・専門機関が公開している情報をもとに構成しています。
数値や表現については、特定の食品や個人の健康状態に当てはめて断定するものではなく、一般的な傾向や考え方として整理しています。
日々の食生活や健康管理について不安がある場合は、医師や管理栄養士など専門家にご相談ください。
監修・編集ポリシー
本記事は、一般消費者がトランス脂肪酸に関する基礎知識を正しく理解し、日常の食品選択に活かせることを目的として編集しています。
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