スーパーでよく見かけるなじみ深い調味料「なたね油」。
商品の数も多いので、なんとなく安い商品を選びがちですよね。
しかし毎日使うのであれば、少しでも体によいものを選びたくありませんか?
実は一言に「なたね油」といっても、原材料や製造方法によって質が大きく異なるため、選び方にいくつかポイントがあるんです。
この記事では「なたね油」とはどんな油なのか、サラダ油との違いも簡単に解説しつつ、安全で体に良いなたね油の選び方をご紹介します。
記事をひととおり読めば、本当に安全で体に良いなたね油を選べるようになりますよ。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
なたね油とは?
そもそも「なたね油」とは、アブラナの種から抽出される油のこと。
日本では江戸時代から、燃料用の油として利用されてきました。
また厳密には「アブラナ」が原料として使われていたのは明治時代までで、以降はほとんどが「セイヨウアブラナ」に置き換わっています。
日本ではおなじみの「なたね油」ですが、国内のなたね自給率は、わずか0.1%ほど。
そのため、原料のほとんどを海外(主にカナダやオーストラリア)から輸入しています。
なたね油に含まれている栄養素と期待できる健康効果
なたね油に多く含まれている成分は、オメガ9系脂肪酸の「オレイン酸」です。
オレイン酸はなたね油やオリーブオイルから摂り入れられるほか、飽和脂肪酸を材料にして体内でも合成されます。
オレイン酸の主なはたらきは、コレステロール値の低下。
善玉コレステロールの量を維持しながら悪玉コレステロールだけを減らしてくれるため、動脈硬化や高血圧の予防に効果が期待できる成分です。
また、なたね油に含まれる成分はオレイン酸以外にも、リノール酸やリノレン酸が挙げられます。
なたね油に含まれる脂肪酸の割合と、「オメガ系脂肪酸の推奨摂取比率」は以下のとおりです。
推奨摂取比率 | なたね油の脂肪酸比率* | |
オメガ9系 (オレイン酸) |
4 | 64.3%(7.5) |
オメガ6系 (リノール酸など) |
2 | 18.9%(2.2) |
オメガ3系 (リノレン酸など) |
1 | 8.5%(1) |
【※カッコ内はオメガ3系脂肪酸を1としたときの大まかな比率】
上記表にあるとおり、他の植物油脂に比べると、なたね油はかなり理想に近いバランスで脂肪酸を摂取できます。
サラダ油となたね油の違い
「料理に使う液体の油」といえばすぐにイメージできるほど、サラダ油はよく知られた調味料ですよね。
この「サラダ油」という言葉は、JAS(日本農林規格)で規定された油の等級の名称です。
「サラダ油」と呼ばれる条件は、『JAS規格の対象になる植物油脂であること』と『0℃で5.5時間保存しても濁らず固まらないこと(=精製度が高い)』の2つ。
なたね油はJAS規格の対象なので、精製度が高いなたね油は「なたねサラダ油」と呼ばれることになります。
まとめると
- サラダ油はJAS規格の条件を満たした一部の植物油脂の名称
- 条件を満たした一部のなたね油もサラダ油と呼ばれる
- つまり、サラダ油という大きなくくりの中に、条件を満たしたなたね油がある
ということ。混同しがちですが、しっかり覚えておきましょう。
体に良いなたね油の選び方
安全で体に良いなたね油を選ぶポイントは、以下の5つです。
- 原材料の産地
- 原材料の品種
- 製造方法
- 容器
- 添加物の有無
各ポイントをもう少し詳しく解説します。
原材料の産地
日本のなたね自給率は0.1%とかなり低く、ほとんどを海外から輸入している状況です。
海外では、遺伝子組み換え作物の商業栽培が可能。
そのため油に使われたなたねが海外産の場合、遺伝子組み換えされている可能性があります。
遺伝子組み換え作物の影響はまだはっきりしていません。
しかし、安全な商品を選ぶなら「国産」や「遺伝子組み換えでない」と表示されているものを選びましょう。
原材料の品種
なたねに含まれているエルカ酸とグルコシノレートは、心疾患のリスク増加や甲状腺障害をもたらす可能性があると言われていた成分です。
そして、エルカ酸とグルコシノレートの含有量が低くなるようにカナダで開発されたのが、「キャノーラ種」というなたね。
国産の品種で各成分の含有量が低いなたねは、「キラリボシ」とされています。
安全性にこだわりたい方は、なたねの品種にも注意すると良いでしょう。
製造方法
油の製造方法には、
- 主に原料に圧力をかけて油を搾り取る「圧搾法」
- ノルマルヘキサンという石油系の溶剤を加えて油分を抽出する「抽出法」
の2つがあります。
ノルマルヘキサンは食品添加物として認められている物質であり、製造完了時に残留しない成分ですが、長期的な体への影響はまだはっきりしていません。
またノルマルヘキサンは強い臭いがあるため、どうしてもなたね油本来の風味が失われてしまいます。
余分なものが入っておらず、本来の風味や栄養素がしっかり残った油を使いたい場合は「圧搾法」で作られた油を選ぶのがおすすめです。
容器
なたね油に限らず、油の品質を保つためには、中身が劣化しない容器が必要です。
油は日光や空気で酸化して劣化してしまうため、容器は遮光性があり空気を通さない素材がおすすめ。
手軽に品質を保ちたい場合は、遮光性のある瓶に詰められた商品が良いでしょう。
プラスチック容器の場合は、光の当たらない場所に保管しておくのがおすすめです。
添加物
商品によっては、なたね油に油の酸化と泡立ちを防止するためのクエン酸とシリコーンを添加されている場合があります。
特にシリコーンは人間の体で消化できない成分。
健康に配慮するならば、原材料に「食用なたね油」とだけ書かれた商品を選びたいですね。
なたね油のおすすめの使い方
なたね油は味や香りにクセがなく、加熱しても酸化しにくいのが特徴なので、幅広い用途に使えます。
加熱に強いので炒め油や揚げ油にはもちろんのこと、ドレッシングなどの調味料やお菓子の材料として使うのもおすすめです。
特に天ぷらやケーキ、マフィンに使うと、あっさりとした味わいに仕上がりますよ。
まとめ
セイヨウアブラナの種が原料の「なたね油」は、オレイン酸が多く含まれており、悪玉コレステロールの減少効果を期待できる調味料です。
スーパーで並んで見かける「キャノーラ油」や「サラダ油」とは原材料やJAS規格の等級が異なるので、違いをよく理解しておきましょう。
また、良いなたね油を選ぶためには、原材料や製造方法など5つのポイントをチェックするのが重要。
ぜひこの記事を参考に、安全・安心な「なたね油」を選んでみてくださいね。
当店では、非遺伝子組み換えかつ伝統的な圧搾製法で製造した「なたね油」を販売中です。
また、なたねを焙煎して圧搾した、珍しいなたね油「赤水」も販売しております。
普段の料理や、揚げ物をおいしく仕上げたいときなどにおすすめの商品です。
ぜひお試しください!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。